襖絵について
長通寺の見所の一つに、明治から昭和の時代に活躍した画家・八百谷冷泉氏が描かれた数々の絵がございます。画伯は、当時の住職の妻・茂子と親戚であったというご縁で、昭和初期に療養のために鳥取を訪れました。その際に、鳥取市街地から離れた自然豊かで静かな場所にある長通寺で過ごされる時間を気に入られ、ここで絵を描かれました。現在も、本堂の襖に描かれた「冬の日本海」をはじめ、本堂から離れにかけて画伯の襖絵、掛け軸、屏風を展示しております。住職が説明をさせてもらいながらのご案内もできますし、ゆっくりと作品を楽しみながら見学をしていただければと思います。
八百谷冷泉
1887 - 1959
冷泉画伯は明治20年11月8日鳥取市職人町に生まれる。幼い頃から同町内に画塾を開いた中住道雲について学び起雲と号した。戦時中であった当時、軍隊での生活を終えて間もなく、明治の終わり京都へ行き山元春挙の門をたたき、これに師事し画号を基雲と改めた。従って、その画風は円山派の伝統的な技法に近代的洋画の風を加味した写生に出発したもので、画伯は晩年に至るまで終始その研鑽に努めた。 昭和に入り一時帰鳥するが昭和9年には大阪美術学校の教員の要請があり、画号を大樹と改め若い弟子たちの育成に専念した。しかし、戦争の激化により美術学校が閉鎖となる。翌年には長年患っていた神経痛療養のため家族を大阪に残し帰鳥。 しばらく鳥取市内の温泉旅館にて療養し、そこの温泉がよく効き、冷泉と画号を改める。その中、当時の住職の妻であった茂子と親戚であったこともあり1、2度長通寺を訪れる。画伯は長通寺での静かな一時、穏やかな空気に心引かれ、宿を希望し、住職がこれを快く迎える。その間、本堂の襖絵をはじめ客殿等の各部屋に襖絵を描いた。 晩年再び鳥取を後にし、大阪府箕面にて病に倒れる。 昭和34年6月1日享年71歳
見学について
襖絵拝観は住職が説明、案内をさせていただきながらの見学となります(御予約の方のみ)。拝観料や案内時間など、団体様は予算等に合わせて対応させていただきますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
- 時間
- 40〜60分
- 料金
- 800円